Subject Guide

倫理・行動規範の対策

依頼者保護、利益相反、広告・営業、説明義務、秘密保持、反社会的勢力対応など、支援者として避けるべき行為を学ぶ科目です。禁忌肢を見抜けるかが合否に直結しやすい領域です。

論点一覧

倫理・行動規範は、正しそうな選択肢の中に「絶対に選んではいけない対応」が混ざる科目です。各カードにカーソルを合わせると、禁忌肢を避ける判断軸を確認できます。

支援者の基本姿勢

依頼者保護、誠実義務、説明責任、社会的信頼、市場の健全性を押さえます。

中小M&Aでは、譲渡企業の経営者が初めてM&Aを経験することも多く、情報格差が大きくなります。支援者は成約だけを目的にするのではなく、依頼者が合理的に判断できる情報提供、リスク説明、専門家連携を行う姿勢が求められます。

利益相反

仲介、双方代理的状況、報酬体系、情報遮断、依頼者への説明を確認します。

仲介者は売り手・買い手の双方に関与するため、価格交渉や条件調整で利益相反が生じやすくなります。利益相反をゼロにすることが難しい場合でも、関係性、報酬、提供業務、制約を事前に説明し、依頼者が理解したうえで判断できる状態にすることが重要です。

説明義務と手数料

業務内容、成功報酬、最低報酬、相手方手数料、担当者情報の説明を学びます。

中小M&Aガイドライン第3版では、手数料と提供業務の内容・質、相手方の手数料、担当者の資格・経験・成約実績などの説明が重視されています。試験では「説明せずに進める」「相手方手数料を隠す」といった選択肢は避けるべき対応として出やすい領域です。

広告・営業の規律

誇大広告、断定的表現、不安をあおる営業、しつこい勧誘のリスクを整理します。

「必ず高く売れる」「すぐに買い手が見つかる」「今決めないと損をする」といった断定・誇張は、依頼者の合理的判断を妨げます。広告や営業では、成約可能性、価格、期間、候補先の存在について事実に基づく説明が必要です。

不適切な譲り受け側への対応

反社確認、資金力、過去トラブル、経営者保証、不履行リスクへの対応を確認します。

第3版では、不適切な譲り受け側の排除や情報共有の必要性が強調されています。買い手候補の資金力、事業実態、過去の不履行、反社会的勢力との関係などを確認し、リスクがある場合は安易に紹介しない判断が必要です。

秘密保持と情報管理

NDA、社内共有範囲、候補先への開示、従業員・取引先情報の扱いを学びます。

秘密情報の漏えいは、従業員不安、取引先離反、信用低下につながります。倫理科目では、情報を多く出すほど成約しやすいという発想ではなく、必要な相手に必要な範囲で段階的に開示する考え方が問われます。

Study Focus

倫理は「支援者として避けるべき行為」から逆算する

倫理・行動規範は、単なるマナーではなく、中小M&A市場の信頼を守るための実務ルールです。利益相反の説明、手数料の透明性、広告営業の適正化、不適切な譲り受け側の排除、情報管理を、具体的な場面で判断できるようにしましょう。

参考:経済産業省「中小M&Aガイドラインを改訂しました」

公式の出題範囲(倫理・行動規範)

中小企業庁が公表した「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験 出題科目詳細」(2026年10月30日)の大項目と中項目を整理したものです。倫理・行動規範の出題数は15問程度です。出題にあたって適用される法令・制度の基準日は2026年3月末日です。

使命
顧客・関係者への貢献、社会への貢献
仲介者・FAの選定等
仲介者、FA
基本原則(善管注意義務・職業倫理)
善管注意義務、支援の質の向上、顧客利益の優先・意思の尊重、利益相反の防止(仲介者が対象)、報告義務
広告・営業
虚偽・誤解を与える文言使用の禁止、不適切な営業活動の禁止
品位
品位の保持、品位を損なう行為の禁止
法令等の遵守
不適切な個人・組織、反社会的勢力等との関係
情報管理
情報の取り扱い、関係者の指導監督
不適切行為の禁止
その他禁止行為
支援機関向けの基本姿勢
依頼者(顧客)の利益の最大化、それぞれの役割に応じた適切な支援、支援機関間の連携
M&A専門業者
中小M&A支援の特色、行動指針等の策定の必要性、善管注意義務(忠実義務)及び職業倫理、経営トップの意識、士業等専門家との連携、知識・能力の向上、適正な業務遂行、M&A仲介・FA業界の実務の発展に向けた取組
各工程の具体的な行動指針
意思決定(広告・営業の停止・内容・方法)、仲介契約・FA契約の締結(手数料・提供業務の説明、相手方手数料の開示)、バリュエーション、譲り受け側の選定(マッチング)、交渉、基本合意の締結、DD、最終契約の交渉・締結(リスクへの対応)、クロージング、クロージング後(ポストM&A)
独占業務違反・利益相反・不適切な譲り受け側の排除
独占業務違反、仲介者における利益相反のリスクと現実的な対応策、譲り受け側に対する調査、不適切な行為に関する情報を取得した場合の対応、業界内での情報共有の仕組み
契約条項の留意点
専任条項、直接交渉の制限に関する条項、テール条項

出典:中小企業庁「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験 出題科目詳細」(PDF)。小項目は原資料をご確認ください。

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