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簿記3級の仕訳問題の解き方|初心者でも迷わない5ステップと練習問題

簿記3級の仕訳問題がわからない初心者向けに、問題文を仕訳へ変える5ステップを図解。勘定科目の選び方、借方・貸方の判断方法、買掛金と未払金の違い、オリジナル練習問題と復習方法までわかりやすく解説します。

簿記3級の仕訳問題の解き方|初心者でも迷わない5ステップと練習問題
簿記3級・仕訳問題の解き方

簿記3級の仕訳問題の解き方|初心者でも迷わない5ステップと練習問題

簿記3級の仕訳問題を解こうとしても、 問題文のどこを見て、何から考えればよいのか分からないことがあります。

「現金」「売上」「仕入」などの勘定科目を覚えていても、 問題文を読んだ瞬間に借方と貸方を決めようとすると、少し表現が変わっただけで迷いやすくなります。

仕訳問題は、答えを丸暗記するのではなく、 取引を分け、勘定科目を選び、増減を確認してから左右へ置くという順番で解くことが大切です。

この記事では、簿記3級の仕訳問題を解く手順を5ステップに分け、 図、表、具体例、オリジナル練習問題を使って初心者向けに解説します。

仕訳問題を解く5ステップ
  1. 問題文から取引の事実を拾う
  2. 取引を2つ以上の変化に分ける
  3. 変化を勘定科目へ置き換える
  4. 5要素と増減から借方・貸方を決める
  5. 科目・金額・貸借一致を確認する

簿記3級の仕訳問題が難しく感じる原因

仕訳問題が解けないと、「勘定科目をもっと暗記しなければならない」と考えがちです。 しかし、実際には勘定科目以外の部分でつまずいていることも多くあります。

原因1 取引を分けられていない

1つの文章をそのまま仕訳にしようとすると、どの科目が動いたのか整理できません。

原因2 問題文の言葉だけで科目を選んでいる

「後払い」だけを見ても、買掛金か未払金かは決まりません。何を買ったかも確認する必要があります。

原因3 借方・貸方から考え始めている

左右は最後に決めます。先に科目のグループと増減を確認した方が安定します。

原因4 以前の取引を無視している

売掛金の回収や買掛金の支払いでは、売上や仕入をもう一度記録しないよう注意が必要です。

仕訳問題の中心は「暗記」より「変換」 問題文をそのまま覚えるのではなく、 文章 → 取引の変化 → 勘定科目 → 借方・貸方 へ変換する手順を身につけることが重要です。

簿記3級の仕訳問題を解く5ステップ

1
問題文から事実を拾う 何を買ったか、何を売ったか、代金をどうしたか、いつ支払うかを確認します。
2
取引を2つ以上の変化に分ける 「現金が増えた」「売上が発生した」のように、日本語で変化を書き出します。
3
変化を勘定科目へ置き換える 後日受け取る権利なら売掛金、商品以外の後払いなら未払金というように科目を選びます。
4
5要素と増減から左右を決める 資産・負債・純資産・収益・費用のどれかを確認し、増えたか減ったかで借方・貸方を決めます。
5
最後に仕訳全体を点検する 科目、左右、金額、借方合計と貸方合計が正しいか確認します。

例題を5ステップに分解してみよう

商品30,000円を販売し、代金は現金で受け取った。

ステップ1:問題文から事実を拾う

商品を販売 30,000円 現金で受け取った

ステップ2:取引を2つの変化に分ける

商品30,000円を販売し、代金は現金で受け取った
変化1 現金が30,000円増えた
変化2 売上が30,000円発生した

ステップ3:勘定科目へ置き換える

取引の変化 勘定科目 5要素
現金が増えた 現金 資産
販売による収益が発生した 売上 収益

ステップ4:借方・貸方を決める

現金 資産の増加 借方
売上 収益の増加 貸方
借方
現金 30,000円
貸方
売上 30,000円

ステップ5:最後に確認する

  1. 商品の販売を「売上」で処理している
  2. 現金の増加を借方に置いている
  3. 売上の増加を貸方に置いている
  4. 借方と貸方がともに30,000円で一致している

仕訳問題では、問題文のどこに注目する?

問題文を読むときは、すべての文章を同じ強さで読む必要はありません。 特に次の点へ印を付けると、取引を分解しやすくなります。

確認すること 問題文の例 仕訳への影響
何をしたか 購入した、販売した、借り入れた 中心となる勘定科目を決める
何を扱ったか 商品、備品、土地、サービス 仕入・備品などの科目を選ぶ
代金をどうしたか 現金、普通預金、掛け、後払い 相手側の勘定科目を決める
以前の取引との関係 売掛金を回収、買掛金を支払った 売上や仕入を再計上しない
付随条件 手数料、送料、利息、割引 複数科目になる可能性がある

問題文の言葉と勘定科目の対応例

問題文の表現 考えられる勘定科目 注意点
現金で受け取った 現金 現金が増加する
普通預金口座から支払った 普通預金 普通預金が減少する
商品を掛けで販売した 売掛金 商品売買による未回収額
商品を掛けで仕入れた 買掛金 商品仕入による未払額
備品を後払いで購入した 未払金 商品以外の後払い
代金を先に支払った 前払金 商品などを後で受け取る権利
代金を先に受け取った 前受金 商品などを後で渡す義務
単語だけで決めない 「後払い」という言葉だけでは、買掛金か未払金かを決められません。 販売目的の商品なのか、それ以外の物品・サービスなのかまで確認します。

勘定科目を正しく選ぶ3つの考え方

1.何を買ったか・売ったかで考える

取引 勘定科目 理由
販売する商品を購入 仕入 販売目的の商品だから
業務用パソコンを購入 備品 長期間使用する事業用資産だから
切手を購入 通信費 郵送などに使用する費用だから
事務用紙を購入 消耗品費 短期間で使用する事務用品だから

2.代金の決済方法で考える

決済方法 勘定科目の例
その場で現金払い 現金
普通預金から振り込み 普通預金
商品売買の掛け 売掛金・買掛金
商品以外の後払い 未払金
商品以外の代金を後日受領 未収入金

3.取引が初回か、回収・支払いかを確認する

問題文は「販売・仕入」か、「代金の回収・支払い」か?
商品を掛けで販売した 売掛金 / 売上
売掛金を回収した 現金等 / 売掛金
商品を掛けで仕入れた 仕入 / 買掛金
買掛金を支払った 買掛金 / 現金等
二重計上に注意 売掛金を回収したときに「売上」をもう一度記録すると、売上を二重に計上してしまいます。 買掛金の支払い時に「仕入」をもう一度記録するのも同様です。

5ステップを使った仕訳例

例1:商品を掛けで仕入れた

販売目的の商品48,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

変化1 仕入が48,000円発生
変化2 商品代金の支払義務が増加
勘定科目 5要素 増減 記録する側
仕入 費用 増加 借方
買掛金 負債 増加 貸方
借方
仕入 48,000円
貸方
買掛金 48,000円
例2:備品を後払いで購入した

店舗で使用するレジ端末120,000円を購入し、代金は翌月末に支払うこととした。

変化1 備品が120,000円増加
変化2 商品以外の支払義務が増加
借方
備品 120,000円
貸方
未払金 120,000円
判断ポイント 購入したのは販売目的の商品ではなく、店舗で使用する備品です。 そのため、後払いの科目は買掛金ではなく未払金です。
例3:売掛金を普通預金で回収した

得意先に対する売掛金65,000円が、普通預金口座へ振り込まれた。

変化1 普通預金が65,000円増加
変化2 売掛金が65,000円減少
借方
普通預金 65,000円
貸方
売掛金 65,000円
売上は使わない 売上は商品を販売した時点で計上済みです。 今回は代金を回収しただけなので、売掛金を減らします。
例4:借入金と利息を返済した

借入金200,000円を返済し、利息3,000円とともに普通預金口座から支払った。

変化1 借入金が200,000円減少
変化2 支払利息3,000円が発生
変化3 普通預金が203,000円減少
借方
借入金 200,000円
支払利息 3,000円
貸方
普通預金 203,000円

借方に複数科目があっても、合計額は203,000円です。 貸方の普通預金203,000円と一致します。

仕訳を間違える原因と直し方

不正解になったときは、正解だけを確認するのではなく、 どの段階で判断を間違えたのかを特定します。

ミスの種類 復習すること
取引読解ミス 回収を新しい売上と考えた 販売時と回収時を分ける
科目選択ミス 備品の後払いを買掛金にした 商品か商品以外かを確認する
分類ミス 売掛金を収益だと思った 5要素の分類を確認する
左右ミス 資産の増加を貸方にした グループと増減から判断する
金額ミス 元本と利息を合計していない 金額ごとに対応科目を確認する
複合仕訳ミス 複数科目の一部を記録し忘れた 取引を2つに限定せず、全変化を拾う
間違いは4層に分けて確認する 問題文の理解 → 勘定科目 → 借方・貸方 → 金額 のどこで間違えたかを確認すると、復習内容が明確になります。

簿記3級のオリジナル仕訳練習問題10問

以下の問題は、本記事用に作成したオリジナル問題です。 解答を見る前に、5ステップで仕訳を組み立ててみましょう。

基本 第1問:商品25,000円を現金で仕入れた。
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借方
仕入 25,000円
貸方
現金 25,000円

仕入は費用の増加なので借方、現金は資産の減少なので貸方です。

基本 第2問:商品42,000円を販売し、代金は掛けとした。
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借方
売掛金 42,000円
貸方
売上 42,000円

売掛金は資産の増加、売上は収益の増加です。

基本 第3問:銀行から300,000円を借り入れ、普通預金口座に入金された。
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借方
普通預金 300,000円
貸方
借入金 300,000円

普通預金は資産の増加、借入金は負債の増加です。

標準 第4問:事務用の机90,000円を購入し、代金は翌月に支払うこととした。
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借方
備品 90,000円
貸方
未払金 90,000円

商品以外の後払いなので、買掛金ではなく未払金を使います。

標準 第5問:得意先から売掛金55,000円を現金で回収した。
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借方
現金 55,000円
貸方
売掛金 55,000円

売上は販売時に計上済みです。回収時は売掛金を減らします。

標準 第6問:買掛金68,000円を普通預金口座から支払った。
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借方
買掛金 68,000円
貸方
普通預金 68,000円

買掛金は負債の減少なので借方、普通預金は資産の減少なので貸方です。

注意 第7問:店舗の家賃80,000円を普通預金口座から支払った。
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借方
支払家賃 80,000円
貸方
普通預金 80,000円

家賃という費用が増加し、普通預金という資産が減少します。

注意 第8問:商品70,000円を販売し、代金のうち20,000円は現金で受け取り、残額は掛けとした。
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借方
現金 20,000円
売掛金 50,000円
貸方
売上 70,000円

現金20,000円と売掛金50,000円の合計が、売上70,000円と一致します。

注意 第9問:借入金150,000円と利息2,500円を現金で支払った。
解答と解説を見る
借方
借入金 150,000円
支払利息 2,500円
貸方
現金 152,500円

元本と利息は別の勘定科目で記録します。支払総額は152,500円です。

注意 第10問:事務用品6,000円と切手2,000円を購入し、代金は現金でまとめて支払った。
解答と解説を見る
借方
消耗品費 6,000円
通信費 2,000円
貸方
現金 8,000円

購入内容が異なるため、借方を消耗品費と通信費に分けます。

仕訳問題を定着させる復習方法

仕訳は、解説を読んで理解しただけでは安定しません。 少し時間を空けて、自分の力で仕訳を再現する必要があります。

問題を解く
ミスの種類を確認
同じ論点を解き直す
翌日もう一度解く

正解した問題も、判断根拠を確認する

偶然正解した問題は、次回も正解できるとは限りません。 次の説明を自分で言えるか確認します。

  1. なぜその勘定科目を選んだのか
  2. その科目は5要素のどれに当たるか
  3. 増加か減少か
  4. なぜ借方または貸方になるのか

間違えた問題は、同じ形だけを繰り返さない

たとえば買掛金と未払金を間違えた場合は、同じ問題だけでなく、 次のように条件を変えた問題を続けて解くと違いが定着します。

取引 使用する科目
販売目的の商品を後払いで購入 買掛金
事務用備品を後払いで購入 未払金
商品を掛けで販売 売掛金
固定資産を売却し、代金は後日受領 未収入金
目標は答えの暗記ではない 取引条件が変わっても、 問題文を分解して正しい仕訳を作れる状態を目指します。

簿記3級の仕訳問題に関するよくある質問

仕訳問題は丸暗記した方が早いですか?

基本的な仕訳の形を覚えることは役立ちますが、答えだけを丸暗記すると、問題文や決済方法が変わったときに対応しにくくなります。取引を分解し、勘定科目、5要素、増減の順に判断する練習が必要です。

勘定科目が思い浮かばないときはどうすればよいですか?

まず「何をしたか」「何を扱ったか」「代金をどうしたか」を分けて考えます。勘定科目名を直接思い出そうとするより、取引の意味を日本語で整理した方が科目を選びやすくなります。

借方と貸方をすぐに判断できません。

左右から考え始めず、勘定科目が資産・負債・純資産・収益・費用のどれに当たるかを確認します。その後、増加か減少かを判断すると、借方・貸方を決められます。

買掛金と未払金の違いは何ですか?

原則として、販売目的の商品を仕入れて後払いにした場合は買掛金、備品など商品以外のものを購入して後払いにした場合は未払金を使います。

仕訳問題は1日に何問解けばよいですか?

問題数だけでなく、間違えた原因を確認して解き直すことが重要です。最初は10問程度でも、取引の分解や左右の根拠まで確認すれば十分な練習になります。

正解した問題も復習した方がよいですか?

判断根拠を説明できなかった問題や、迷って正解した問題は復習した方がよいでしょう。偶然の正解と、理解した上での正解を分けて考えることが大切です。

まとめ:仕訳問題は順番を決めて解く

この記事のまとめ
  • 問題文から取引の事実を拾う
  • 取引を2つ以上の変化に分ける
  • 変化を勘定科目へ置き換える
  • 5要素と増減から借方・貸方を決める
  • 最後に科目、左右、金額、貸借一致を確認する
  • 不正解は読解・科目・左右・金額に分けて復習する
  • 答えではなく、仕訳を作る手順を身につける

仕訳問題で迷ったときは、いきなり借方と貸方を決めようとしないことが大切です。 まず取引を日本語で分解し、何が増え、何が減ったのかを整理します。

そのうえで勘定科目を選び、5要素と増減を確認すれば、 初めて見る問題でも根拠を持って仕訳を組み立てられるようになります。

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TIA

この記事を書いた人

仕訳力ドリル 編集部

株式会社TIAが運営する簿記学習アプリの編集チームです。商工会議所が公表する出題区分・試験情報を確認しながら、日商簿記3級・2級の仕訳の基礎、勘定科目の考え方、学習の進め方を整理しています。